外科ブログ
Blog※この下に手術中の写真があり
2020.08.06(木)
ロッキングプレート法
小型犬の前脚骨折(とう尺骨骨折)
近年、超小型~小型犬用に「ロッキングプレート法」の器具が開発され従来型の手術法の欠点が改善されてきています。
トイ種(プードルやチワワなど)の前脚の骨はちょうど「割りばし一本分」位。
厚さ3mm幅は5mm前後なので特に成長期(1歳以下)にはソファからの飛び降り程度でも前肢を骨折してしまう事故が多いです。
この部分の骨折は「ギプスだけををして安静」ではなかなか良い結果にはなりません。
従来の手術法(DCPプレート、ピンニング、創外固定など)でも術後の合併症や癒合不全などの問題が指摘されていました。
しかし、近年「ロッキングプレート法」という新しいタイプの器具器具(シンセス社 1.5mmロッキングプレートとスクリュー)と概念が開発され好成績をおさめるようになってきました。
そのポイントは
①ロッキングプレート(板)はプレートとスクリュー(ネジ)がネジ山で固定されるので強固な支持力を発揮する。
②骨折部位から少し離してスクリューを入れることでロッキングプレートの「しなり」による骨治癒促進効果。
にあります。
当院の整形外科の有用な一つのアイテムです。
早く良くなるとイイね!