外科ブログ
Blog※この下に手術中の写真があり
2020.11.13(金)
脚の末端等に腫瘍(しこり)が出来たときに、切除しても周囲の皮膚が足りなくて切除後の傷の閉鎖が困難な場合があります。
この場合に使えるテクニックに動脈が支配している皮膚を帯状に切り出して(皮弁)、転移移植する方法です。
脚以外でも肩の周辺や乳腺~鼠径部(内股)、腰の周辺の動脈を利用して皮弁を作り大きな皮膚欠損部を覆うことができます。
大きな範囲の切除では、単純に切除後に皮膚を閉じても無理な引っ張り力の緊張がかかり傷が開いて治癒は困難です。
(特に、四肢では皮膚の余裕がないのでこのテクニックが有効です。)
後脚末端近くに出来た大きな腫瘍(実線円型部:肥満細胞腫)
膝の動脈を使っての皮弁作成の設計図
十分なマージン(腫瘍の根っこを残さないための正常部分の切りしろ)を取っての切除
皮弁の回転
無事綺麗に縫合が終わりました。
良好な治癒