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2026.06.13(土)

まだ6月というのに気温や湿度の高い夏日が増えてきましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

すでにやや夏バテ気味、獣医師の佐々木です。

 

さて、本日は新しく当院へやってきた内視鏡のご紹介をします!

今までオリンパスの少し古いタイプの内視鏡を使用していましたが、

今回富士フィルムのVE-6500という内視鏡を導入しました。

 

一番大きな違いは、画質です。

圧倒的に画質が良くなったのに加え、「赤をより赤く、白をより白く」処理してくれる画像強調システムが備わっており、粘膜の赤みや微細血管・炎症や潰瘍がより見やすくなりました。

(先日初めてこちらの内視鏡を使用したのですが、あまりの綺麗さに興奮を隠しきれませんでした・・・✨)

また、今回導入した内視鏡は以前のものと比較すると太さが5.8㎜と細く(以前のものは8-9㎜)、先端もコンパクトになり操作性も良くなりました。(手の小さい私にとっても、めちゃくちゃ操作しやすくなりました・・・!)

そのため、猫ちゃんや小型犬のワンちゃんの内視鏡検査がよりやりやすくなりました。

 

ただし中型犬以上の大きいワンちゃんや異物を摘出する時には、大きい鉗子が入る太い内視鏡の方が使いやすい場合もあります。

以前の内視鏡も使用できるため、状況に応じて内視鏡を選択することで内視鏡での処置の幅が広がりました。

 

 

↓ 新しい内視鏡を使用した症例のご紹介です。

 

●13歳の猫ちゃん(3.1kg  Mix)

最近口を気にする、痩せてきたとのことで来院されました。

身体検査では口腔内に重度の口内炎が認められ、また超音波検査にて小腸が全体的に肥厚しており、腸疾患も疑う所見がありました。

歯科処置とともに上下内視鏡生検を実施しました。(使用したのは以前の内視鏡)

病理検査結果では、検体が評価するのに十分なほど採材出来ておらず、「胃や小腸の炎症」との結果でした。そのため、飼い主さんと相談をしてちょうど導入したばかりの新しい内視鏡で再度内視鏡生検を実施することになりました。

その結果は「リンパ腫」(血液の悪性がん)とのことでした。

このように、消化管が細い猫ちゃんの場合太い内視鏡だと操作がしにくく、うまく採材が出来ないこともあります。新しい細い内視鏡で再度生検することで、しっかりと診断をつけることが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

●7歳のワンちゃん(2.8kg ポメラニアン)

Dogドックで低タンパク血漿(アルブミン値が1.4g/dL)と軽度の腹水貯留が見つかりました。

検査結果よりタンパク質は腸管からの漏出を疑い、原因を調べるために上下内視鏡生検を実施しました。

 

病理結果は、「リンパ管拡張症」+「小細胞性リンパ腫への移行を伴う腸炎」との結果でした。

これは、腸のリンパ管が広がり、そこからタンパク質が漏れやすくなっている状態です。

さらに、一部の腸管では「リンパ腫(血液のがん)」へと変化し始めているという結果でした。

このワンちゃんは低脂肪食への変更、消炎剤、抗血栓薬、腸活サプリなどの治療を行うことで、少しずつアルブミンの値は改善してきています。

 

 

 

 

 

 

 

 

このように内視鏡検査では、レントゲンや超音波検査では分からない腸粘膜の病気を開腹の手術よりも本人の負担少なく診断することができ、適切な治療へと繋げることが出来ます。

食欲低下、慢性的な下痢や嘔吐、体重減少などが続く場合には、胃腸の病気があるサインかもしれません。

お気軽にご相談ください!

2026.05.06(水)

今回は猫の鼻腔内に発生する悪性腫瘍の一つである「鼻腔リンパ腫」についてご紹介します。

リンパ腫は、猫の鼻腔内腫瘍の中で最も発生頻度が高い腫瘍です。

発生年齢は8-11歳が多いとされていますが、2-3歳といった若い猫でも発生することがあります。

猫のリンパ腫は消化管での発生が最も多く、次いで鼻腔や鼻咽頭に発生することが知られています。

猫の鼻腔腫瘍は局所に広がる性質(局所浸潤性)を持つことが多いですが、一部の鼻腔リンパ腫は腎臓などへ遠隔転移している場合もあります。

確定診断には病理組織学的検査が必要になります。

主な症状としては、鼻汁・鼻出血・顔の変形・食欲不振・流涙・くしゃみなどが挙げられますが、これらの症状は非特異的なため他の鼻腔疾患との鑑別は難しいです。

治療法としては、「化学療法」や「放射線療法」を単独、または併用して行う方法があります。

 

 

ここで、実際に当院で鼻腔リンパ腫と診断された猫ちゃんをご紹介します。

3歳の猫ちゃんで、右の鼻から血が混じった鼻汁が出る、元気や食欲が低下しているといった風邪のような症状を主訴に来院されました。

 

実際の猫ちゃんの写真です。

 

右の鼻から膿性の鼻汁が出ており、鼻の通りも悪くなっていました。

このような症状から右鼻腔の閉塞性疾患が疑われたため、麻酔をかけて詳しい検査を行いました。

 

 

当院に新しく導入された細径軟性内視鏡(Scivita Medical SBV-1A-B)という細い内視鏡を用いて、鼻腔内を確認しました。

 

 

 

 

鼻腔内の内視鏡検査は下の図のように、口腔から内視鏡を挿入する方法と外鼻孔から内視鏡を挿入する方法があります。

今回は口腔・外鼻孔の両方から内視鏡を挿入し、それぞれのルートで検査を行いました。

 

 

ここからは実際の写真が出てきますので出血が苦手な方はご注意ください。

 

 

 

実際の鼻腔内の様子です。

 

 

 

 

 

 

 

鼻咽頭内に腫瘤が形成され、鼻腔の閉塞を引き起こしている様子が確認されました。

左が本症例の鼻咽頭、右が正常な猫の鼻咽頭の画像です。

 

 

 

 

また、鼻咽頭内の腫瘤が右眼窩に浸潤している可能性も疑われました。

浸潤の範囲などの確定にはCT・MRIが有効です。

 

 

この腫瘤の一部を生検して病理検査を行ったところ、大細胞型リンパ腫と診断されました。

今回の症例では、細径内視鏡による鼻腔内の観察により腫瘤の視認および生検を実施することができたため、スムーズな診断と迅速な治療介入につながりました。

2026.02.22(日)

冬の寒さの中にも春の足音が近づいてきましたね。

季節の変わり目は体調を崩しやすい時期ですので、体調管理に気を付けながらお過ごしください。

さて今回は紐状異物の危険性と、身体検査(身体診察)の重要性についてご紹介します。

 

わんちゃんやねこちゃんが遊んでいるうちに、思わぬものを口にしてしまうことは珍しくありません。特にひも・糸・リボン・毛糸のような細長いもの(=紐状異物)は放っておくと命に関わることがあります・・・。

紐状異物が胃や腸の中に入ると腸が「引っ張られる」ような形になり腸管が折り畳まれたり閉塞を起こしたりする可能性があるため、これは単純な誤飲よりも深刻で、腸の損傷や腹膜炎など命に関わる合併症につながることもあります。 

 

特に注意したいのが、舌の裏(舌下)に紐が引っかかるケースです。

 

〇実際の症例のご紹介〇

トイプードルさん

1週間前から吐きたそうな様子があるという主訴で来院

・えづき、食欲の低下

・大きな粒のごはんを食べた後うっうっとしてカーっとやるけど何も出てこない

 

身体検査にて口の中を見てみると舌下に紐が引っかかっていました。

お腹の中の状態確認のためにレントゲン検査・超音波検査も実施。

消化管での明らかな閉塞が起きていないことが確認できたため、全身麻酔をかけて紐の除去を試みました。

この時は幸いするすると簡単に口から紐を引っ張り出すことができました。紐が食い込んで舌が切れてしまっていたため抗菌薬を数日間服用して治療終了となりました。

 

 

 

 

 

今回のケースは紐を引き抜くことが出来ましたが、状況によっては紐を引っ張ることで消化管を傷つける危険があるため、口や肛門から少し紐が見える時でも無理に引っ張らず病院へご連絡ください。

 

紐状異物が消化管内に留まると、以下のような症状が現れる可能性があります。

・吐く、えずく

・急に元気や食欲がなくなる

・お腹を気にする、丸くうずくまる

・便が出ない、または下痢をする

 

状態によっては緊急外科手術が必要になることもあるため、「ちょっと変かも?」と思ったら早めの受診が安心です。

大切な家族を守るため、ぜひ気をつけてあげてくださいね🐾

2025.07.05(土)

毎日厳しい暑さが続いていますが、わんちゃん・ねこちゃん、ご家族の皆さま元気にお過ごしでしょうか?
最近ペットに関するちょっと心配なニュースがありました。6月、茨城県で室内飼いされていた1歳の猫が一時的に外へ出てしまった際に「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」に感染し、残念ながら亡くなったという報道がありました。関東で猫のSFTS感染が確認されたのはこれが初めてです。
当院にも「SFTSって何?」「うちの子も外に出ることがあるから心配」などの質問が増えてきていますので、今回はこの病気について飼い主さんに知っておいていただきたいことを簡単にまとめてみました。

 

🦠SFTSってどんな病気?
SFTSは「重症熱性血小板減少症候群」といい、SFTSウイルスによって引き起こされる感染症です。
この病気は2013年頃から主に西日本での感染が報告されており、猫や犬だけでなく人にも感染します。特に人や猫では重症化しやすく命にかかわるケースもあるため、注意が必要です。

 

😷どんな症状が出る?
潜伏期間は数日〜2週間ほどで、以下のような症状を呈します。
・発熱 ・元気消失 ・食欲不振 ・嘔吐、下痢 ・黄疸 ・白血球や血小板の減少
SFTSの怖いところは人も動物も致死率が高いことで、日本国内では人で約10〜30%、犬で約30%、特に重症化しやすい猫では約60%となっています。

 

🧪どうやって感染するの?
SFTSの主な感染経路は以下の通りです。
①マダニに刺されることによる直接感染
山林や草むらに生息しているマダニ(特にフタトゲチマダニなど)がSFTSウイルスを保有していることがあります。
②感染動物との接触
猫や犬がマダニに刺されて感染した場合、体液や咬傷によって人に感染することがあります。
③ヒトからヒトへの感染(まれ)
医療従事者などが患者の血液・体液に触れることで感染する例も報告されています。

 

💊大切な家族を守るための予防・対策法
【ペットのために出来ること】
・猫は特に完全室内飼いを徹底する
→脱走防止グッズや網戸ロックの導入もおすすめです。

・マダニ予防薬を毎月使用する
→スポットタイプやチュアブルタイプなど動物病院で処方可能です。(マダニが犬や猫に付着するのを完全に防ぐわけではありません)

・散歩後はダニのチェック
→特に首や耳の周り、脇、足の内側などをよく確認してください。

・具合が悪そうな時は早めに病院へ!
→発熱、嘔吐、ぐったりしているなどの症状がある場合はすぐに相談してください。

・万が一マダニに刺されていても無理に取らず病院を受診する
→無理に引き抜くとマダニの一部が皮膚に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させて病原体が体内に入ってしまう恐れがあります。

 

【飼い主さん自身への対策】
・マダニに刺されないよう草むらや山に入る時は長袖・長ズボン・帽子を着用する
・虫除けスプレーの使用
・ペットの体調が悪い時は素手で触らない

 

🐾まとめ
SFTSは決して遠い話ではなく、私たちのすぐそばで起きている感染症です。
特にこの時期はマダニが活発になるため、しっかりとした予防がとても大切です。
当院では、マダニ予防や体調管理についてのご相談も随時承っております。
大切なご家族を守るために、何か気になることがあればいつでもご相談ください。

 

 

↓ マダニの写真です。

 

 

 

 

追記:7月に神奈川県でもSFTSの患者が発生しました。改めてノミダニ対策をしっかりしましょう。

 

以下猫ちゃんの予防薬です。

生活スタイルに応じた様々なおくすりがあるので、ぜひご相談ください。

 

★ネコちゃん・外用タイプのご紹介

 

① ブラベクトスポット (効能3-4ヶ月) ノミ、マダニ、フィラリア

1.2-2.8kg未満 3900円  2.8kg-6.25kg未満 4000円  6.25-12.5kg未満 4100円

 

3ヵ月に一度の滴下でノミ・ダニ駆虫の他にフィラリア症の予防ができます。即効性があり、予防効果が長く継続するため液体を垂らされると気になってしまうネコちゃんにとってはストレスを減らすことができます。飼い主様も毎月投与する手間が減り、年間を通してご利用しやすいと思います。一度自宅でノミが蔓延すると駆除がとっても大変なため、ノミがつきやすい子に特におすすめです。ブラベクト公式LINEアカウントに登録すると次回投薬日のお知らせが届くので便利です☆https://line.me/R/ti/p/%40khy7950z

 

 

② アドボケート (効能1か月) ノミ、消化管内寄生虫、フィラリア、ミミダニ、疥癬

1-4kg未満 1400円   4-8kg未満 1500円

 

ダニの予防はできないため、お家のみで過ごしている子に適しています。どんなに気を付けていてもおうちに入ってきてしまう蚊。蚊が媒介するフィラリア感染症を予防できるほか、消化管内寄生虫などを駆虫できるメリットがあります。月に一度の滴下薬です。

 

 

③ ネクスガードキャットコンボ(効能1か月)ノミ、マダニ、消化管内寄生虫、フィラリア、ミミダニ

0.8-2.5㎏ 1800円  2.5-7.5㎏ 1900円

ネクスガードキャットコンボは、お腹の虫も落とせるとても効能の高い駆虫薬となっております。

よくお外に出るけど、どこを散歩しているか分からない…そんな心配がある猫ちゃんはこのお薬をつけていれば安心です。おうちにいるネコちゃんでも完璧に予防したいと思われる方はこのネクスガードキャットコンボをおすすめします。妊娠・授乳期にも使用することができます。月に一度の滴下薬です。

 

 

 

 

④マイフリーガード(効能1ヶ月)  ノミ、マダニ

全体重1100円

他のお薬に比べて一番シンプルなノミ・マダニ駆虫薬になります。

ノミ、ダニによる皮膚炎や感染症が心配な方はしっかり予防してあげましょう。

 

 

 

 

 

 

2024.12.29(日)

恐ろしい題名から始めてしまいましたが。。。

今回紹介する病気は犬種特異性(限られた犬種)極まれに起こるものです

滅多に遭遇することはないのですが、もし罹ってしまうと50%の確率で命に関わる為

シャンプー後に何かおかしい?と感じたらすぐに病院を受診できるように頭の片隅に覚えておいてもらえると嬉しいです

 

無菌性嚢胞性紅皮症という病気ですが

特徴としては

・シュナウザーに多い

・シャンプーや何か薬など塗ったり飲んだりした後(今まで使っていたシャンプーでも)皮膚が赤くなる→お腹の辺りを中心に!

水ぶくれの様に赤くポツポツと腫れてくる (→その後破裂し痛みを伴うことも)

同時に熱っぽくなる、元気がなくなる

がお家で気づく点です。

 

病院だと

白血球が増える、血液検査の値も変化してくる(低アルブミン血症)などが見られます。

皮膚だけでなく全身に症状が及び、最悪の場合 死に至る ことがある というのがこの病気の恐ろしいところです

 

○最近あった当院での事例○

ミニチュア・シュナウザー 当時10歳9か月 去勢済男の子

 

★トリミング後から★

右耳の中が赤い、ずっと掻いているとトリミング2日後にTELにて相談あり

トリミング4日後に当院受診 耳だけでなく足裏や鼻先と全身に赤みが見られます

<その時の皮膚の状態>

 

<治療後>

この間、皮膚症状だけでなく嘔吐も見られ、元気も食欲もなくなってしまいました。

血液検査等にも異常が見られたため、入院にて治療したところ無事に改善してくれました。

 

当院での事例は一命を取り止めましたが、いつどんな状況で発症するか明確な基準はありません。

この病気は見逃されていることが多いと予想されるので、異変に気付くことが何よりも大事です。

特にミニチュア・シュナウザーの子でシャンプー後に

「皮膚がいつもより赤いな…ひどくなってくな…」ということがあれば早めの受診をお願いします!!

そしてこのブログを読んで この病気について知っている人が増えることを願います☆彡

 

 

 

 

 

 

 

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