お知らせ・ブログ
Blog2024.12.29(日)
恐ろしい題名から始めてしまいましたが。。。
今回紹介する病気は犬種特異性(限られた犬種)に極まれに起こるものです
滅多に遭遇することはないのですが、もし罹ってしまうと50%の確率で命に関わる為
シャンプー後に何かおかしい?と感じたらすぐに病院を受診できるように頭の片隅に覚えておいてもらえると嬉しいです
無菌性嚢胞性紅皮症という病気ですが
特徴としては
・シュナウザーに多い
・シャンプーや何か薬など塗ったり飲んだりした後(今まで使っていたシャンプーでも)皮膚が赤くなる→お腹の辺りを中心に!
・水ぶくれの様に赤くポツポツと腫れてくる (→その後破裂し痛みを伴うことも)
・同時に熱っぽくなる、元気がなくなる
がお家で気づく点です。
病院だと
白血球が増える、血液検査の値も変化してくる(低アルブミン血症)などが見られます。
皮膚だけでなく全身に症状が及び、最悪の場合 死に至る ことがある というのがこの病気の恐ろしいところです
○最近あった当院での事例○
ミニチュア・シュナウザー 当時10歳9か月 去勢済男の子
★トリミング後から★
右耳の中が赤い、ずっと掻いているとトリミング2日後にTELにて相談あり
トリミング4日後に当院受診 耳だけでなく足裏や鼻先と全身に赤みが見られます
<その時の皮膚の状態>
<治療後>
この間、皮膚症状だけでなく嘔吐も見られ、元気も食欲もなくなってしまいました。
血液検査等にも異常が見られたため、入院にて治療したところ無事に改善してくれました。
当院での事例は一命を取り止めましたが、いつどんな状況で発症するか明確な基準はありません。
この病気は見逃されていることが多いと予想されるので、異変に気付くことが何よりも大事です。
特にミニチュア・シュナウザーの子でシャンプー後に
「皮膚がいつもより赤いな…ひどくなってくな…」ということがあれば早めの受診をお願いします!!
そしてこのブログを読んで この病気について知っている人が増えることを願います☆彡
2023.02.10(金)
今回は皮膚科の紹介です。
患者さんはペキニーズのマーブル君です。
<治療前の被毛の様子です>
一昨年の6月に他院にて検査のために体幹部位の毛刈りを行いました。
その後から体幹の毛が生えてこないとの事で、去年の5月に大隅先生による皮膚科専門外来を受診されました。
品種や年齢、性別などの情報や今までの経過や症状などからあらゆる可能性を考え、その中でも可能性が高いものに絞り診断を進めていきます。
皮膚病といっても皮膚だけの問題ではなく、ホルモンの病気や精神的な問題、全身性疾患が隠れていたりと原因は多岐に渡ります。
その為診断を進めていくうえで、皮膚や被毛の検査にとどまらず、必要に応じて血液の検査や皮膚の組織病理検査、全身的な検査を行うこともあります。
マーブル君の場合は痒みがなく、毛刈り後に皮膚が黒色に変色し脱毛が広がりました。
わんちゃんでよく目にするような典型的な症状ではなかった為、あらゆる可能性を除外するために血液検査、ホルモン検査、腹部超音波検査、皮膚病理検査を行いました。
検査結果よりアロペシアX(毛周期停止)と診断がつきました。
アロペシアXは毛の生え変わる周期が止まってしまう事による脱毛症です。現在のところはっきりとした原因は解明されておりません。ただし特定の犬種、ポメラニアンやパピオン、チワワ、トイプードルに好発するため遺伝的な素因が関連していると予想されます。
診察後、サプリメントと内服薬での治療を開始したところ、一か月後の再診時には発毛が認められるようになりました。その後もお薬の量を調節しながら継続治療中で現在は発毛の状態も非常に良好です。
<治療1ヵ月後の被毛の様子>
<2023年2月時点の被毛の様子>
毛も生えそろい、すっかり元の姿に戻りましたね!
とってもハンサムです!
追記:当院では皮膚科医である大隅先生による皮膚科専門外来を行っております。
なかなか良くならない皮膚や耳のお悩みなどございましたら是非ご相談ください。
2021.10.23(土)
今回は皮膚科のご紹介です。
患者さんはトイプードルのポポ君です。
当院に初めて来院された時のポポ君のお写真です。
去年の初めごろから鼻筋に痒みと脱毛が見られたためホームドクターの元で治療を行っていたそうですが、徐々に脱毛が広がってきたとの事で、当院の皮膚科専門外来を受診されました。
皮膚科医である大隅先生の診察は、まずゆっくりと飼い主様にお話を伺うところから始まります。今まで行われていた検査、治療についてはもちろん、見た目から疑える病気はどれかな?そもそも本当に皮膚病なのかな?下地に他の病気(例えば内分泌疾患や腫瘍など)がないかな?など、丁寧に確認をしていきます。例えば、コロナ禍における環境の変化は私たちだけではなく、わんちゃんやねこちゃんにも大きく影響を与えました。ポポ君にも気持ちや体調の変化はないかな?そう言ったことまで、まるでポポ君と会話をするかのように時間をかけて確認をしていきます。それから必要に応じて検査を行い、様々な可能性を考え、一つ一つ病気を絞っていきます。
ポポ君の診察結果は、アレルギー性皮膚炎による痒みに加えて、処方されていた塗り薬によって脱毛が広がったのかもしれない、とのことでした。
その後は使っていたお薬を休薬し、適切な治療を加えることにより、一か月後の再診時には発毛が確認され、3か月経った今では見違えるほどに毛が生えそろいました。今は少しずつ、お薬を休薬しているところです。
時には検査や治療が必要ないと判断されることもあります。お薬が出ないことを心配される方もいますが、このような「引き算の治療」により改善することもよくあります。もちろん、しっかりとした治療が必要になることもありますので、行った検査や処方されたお薬について、ご心配事がありましたらいつでもご相談くださいね。
今年9月のポポ君のお写真です。
とてもハンサムなお顔に若返りましたね!
追記:当院では皮膚科医である大隅先生による皮膚科専門外来を行っております。
なかなか良くならない皮膚や耳のお悩みなどございましたら是非ご相談ください。
2018.08.17(金)
今回は皮膚科のご紹介です。
患者さんはチワワのうぃん君です。
2年前にサマーカットにしてから毛が生えてこなくなったというお話でした。
ところどころ毛が不ぞろいで、部分的に脱毛しています。
大隅先生の診察を受け、お話を伺ったり検査をすることで疑わしい病気をひとつずつ絞っていきます・・。
診察の結果、スキンケアとサプリメントで経過を見ることになりました。
すると半年後・・・なんと、こんなに毛が生えてくれました!
毛づやもよくなり、すっかりもとのうぃん君です。心なしか本人も満足気です!
サプリメントを飲むのが大変だったとのことでしたが、一生懸命がんばってくれました~本当によかったね✰
※追伸
先日、うぃん君が遊びに来てくれました。いまは治療をお休みしてますが、さらにふさふさ、けづやもとってもよかったので写真を撮らせて頂きました!とってもかわいいですね✰