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Blog2021.10.08(金)
台風の季節になり、低気圧が近づくと頭痛がひどくなる今日この頃です。
ちなみに脳に異常があると、低気圧などの影響で発作を起こすこともあると言われています。
そこで今回は発作の中でも「てんかん発作」について取り上げたいと思います。
てんかん発作とは脳の過剰な興奮によって起こる発作を指します。
定義としては「24時間以上の間隔を空けて少なくとも2回以上の非誘発性てんかん発作を示す」ものとされています。
てんかんは脳に何ら異常の認められない「特発性てんかん」と、脳に構造的な異常(例えば、先天的な異常や脳の炎症、脳腫瘍など)があるものとに分けられます。
似たような発作を起こすその他の原因としては、低血糖や尿毒症(腎臓病の末期状態)などの代謝性疾患や中毒物質の摂取などがあります。時には不整脈や心疾患などによる「失神発作」がてんかん発作のように見えてしまうこともあります。
また、発作の種類としては意識がなく全身に症状のでる「全般発作」もあれば、体の一部部分だけに起きる「部分発作」もあり、なかには異常行動のようにみえるものもあります(自分の尻尾を追いかけてぐるぐる回る、空中の虫を捕まえるようにパクパクするなど)。
診断にあたり、まずは本当にてんかん発作かを確認する必要があります。
問診により発作が起きたときの状況を詳しく聞いていきますが、その際には発作時の動画があるととても有益な情報になりますので、可能な場合にはぜひとも携帯電話で録画していただくことをお勧めします。
続いて、身体検査、血液検査、心電図検査、神経学検査(神経の機能が正常かを触診などによって確認する検査)などを行い、前述した病気を可能な限り除外していきます。もしここで異常が見つかれば、それに応じた治療をしていきます。
最終的に脳の異常を見つけるためにはMRI検査やCT検査、脳脊髄液検査が必要になることもあります。
これらの検査を行いてんかん発作の診断がついた場合(または疑いが強い場合)には、投薬により発作を抑え治療を試みます。
発作を初めて目の当たりにすると辛そうに思えるかもしれませんが、発作自体には苦痛はありません。まずは、飼い主様がパニックを起こさず、冷静に対処して頂く事が大変重要です。慌てて顔の周りに手を出さず、周りにぶつかりそうなものがあれば移動し、けがをしないようにしてあげてください。
ご自宅のワンちゃんネコちゃんに発作が起きた場合や、いつもと違う行動が続くようであれば獣医師までご相談下さい。