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Blog2022.08.04(木)
夏の暑さもピークを迎えていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
本日はビデオオトスコープという、耳の内視鏡についてのご紹介をさせていただこうと思います。
<オトスコープ本体>
ワンちゃんの耳の穴は入り口から縦方向に伸び、その後大きく曲がって横方向に伸びています。そのため、奥深くの耳道や鼓膜を観察したり、耳道の洗浄や異物の除去などの処置が難しいことも多々あります。
ワンちゃんが中耳炎を起こしているか、その診断には鼓膜の評価がとても大事です。ビデオオトスコープを使えば、奥深くの耳道や鼓膜の状態を細かく観察することができるため、その後の治療方針の決定につなげることができます。
耳の中が汚れている場合は、耳の中の汚れ具合を確認し汚れている部位をしっかり見ながら洗うことができます。鼓膜に近い部位の汚れは落ちにくいのですが、ビデオオトスコープを使えば、映像を見ながらカテーテルや汚れを直接つかむことのできる鉗子を使用することができるため、きれいに落とすことができます。洗浄前と洗浄後の比較をしやすいのもとても良いですね。
またビデオオトスコープは耳道内の観察や洗浄だけではなく、メスやレーザーを用いた耳科手術をすることもできます。具体的には、耳の中にできたしこりを切除したり、その組織の一部をとり良性か悪性かを診断する組織生検をすることができます。通常の手術と比較し負担が少なく日帰りの処置も可能です(全身麻酔が必要となります)。
ビデオオトスコープを使用できる施設はまだ限られていますが、当院では皮膚科専門医の大隅先生による施術が可能です。なかなか治らない耳の症状がある場合にはぜひご相談ください。
ビデオオトスコープの紹介動画もあるので、ぜひご覧ください。