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Blog2023.02.10(金)
今回は皮膚科の紹介です。
患者さんはペキニーズのマーブル君です。
<治療前の被毛の様子です>
一昨年の6月に他院にて検査のために体幹部位の毛刈りを行いました。
その後から体幹の毛が生えてこないとの事で、去年の5月に大隅先生による皮膚科専門外来を受診されました。
品種や年齢、性別などの情報や今までの経過や症状などからあらゆる可能性を考え、その中でも可能性が高いものに絞り診断を進めていきます。
皮膚病といっても皮膚だけの問題ではなく、ホルモンの病気や精神的な問題、全身性疾患が隠れていたりと原因は多岐に渡ります。
その為診断を進めていくうえで、皮膚や被毛の検査にとどまらず、必要に応じて血液の検査や皮膚の組織病理検査、全身的な検査を行うこともあります。
マーブル君の場合は痒みがなく、毛刈り後に皮膚が黒色に変色し脱毛が広がりました。
わんちゃんでよく目にするような典型的な症状ではなかった為、あらゆる可能性を除外するために血液検査、ホルモン検査、腹部超音波検査、皮膚病理検査を行いました。
検査結果よりアロペシアX(毛周期停止)と診断がつきました。
アロペシアXは毛の生え変わる周期が止まってしまう事による脱毛症です。現在のところはっきりとした原因は解明されておりません。ただし特定の犬種、ポメラニアンやパピオン、チワワ、トイプードルに好発するため遺伝的な素因が関連していると予想されます。
診察後、サプリメントと内服薬での治療を開始したところ、一か月後の再診時には発毛が認められるようになりました。その後もお薬の量を調節しながら継続治療中で現在は発毛の状態も非常に良好です。
<治療1ヵ月後の被毛の様子>
<2023年2月時点の被毛の様子>
毛も生えそろい、すっかり元の姿に戻りましたね!
とってもハンサムです!
追記:当院では皮膚科医である大隅先生による皮膚科専門外来を行っております。
なかなか良くならない皮膚や耳のお悩みなどございましたら是非ご相談ください。