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Blog2023.11.25(土)
少し前までまだ夏の面影があった日も多かったものの、ここ最近はぐっと冷え込むようになりましたね。
こんな冷え込む日は、ワンちゃんやネコちゃんの体温が心地よく抱っこする時間が長くなっている今日この頃です。
さて、今日は「ノギ」についてお話しようと思います。
みなさま、ノギってご存じでしょうか?
先日、足先の傷がなかなか治らないボーダーコリーのワンちゃんが来院されました。
傷自体はそこまで大きくないのですが、腫れと赤みがひかず腫れているところを押すと傷から膿が出てくる状態でした。
抗生剤や洗浄治療での治りが悪いため、膿が出てきている穴を辿り何か原因がないかをチェックすることとなりました。
穴を辿り状況によっては広く皮膚を切る必要があるので、全身麻酔での処置となります。
20kg程度の大きめのワンちゃんでしたが、なんと元の傷の約6~7cm上の方まで穴が続いており、その元にはノギという植物が異物として入り込んでいました!
足の皮膚の奥深くから取り出した実際のノギです。
ノギとは、イネ科の植物の穂の先にある0.5~1.0cm程の刺状の突起のことを言います。
このイネ科の植物はどこにでも生えている雑草です。
ワンちゃんは草むらの中の探検が大好きなので、このノギが足先に刺さった場合には今回のようにどんどん奥に入り込んでしまい、異物となります。その場合、足先の傷が治らない原因となります(ノギを取り除かない限り治りません!)。
このワンちゃんは、かなり大きく皮膚を切開した為飼い主様も治りを心配されていましたが、
ノギを取り出し2週間でここまで改善しました!
外見からはノギが入り込んでいるのは全く見えないため、怖い植物ですよね・・・。
他にも、わんちゃんが鼻先で草むらの中をクンクンすることで、ノギが眼や耳の中に入ってしまう事もあります。
眼や耳の中に入った場合には、急な痛みを伴います。
お散歩後に急に眼や耳をすごく気にするなどがあれば、すぐに病院にご連絡下さい!