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Blog2026.05.06(水)
今回は猫の鼻腔内に発生する悪性腫瘍の一つである「鼻腔リンパ腫」についてご紹介します。
リンパ腫は、猫の鼻腔内腫瘍の中で最も発生頻度が高い腫瘍です。
発生年齢は8-11歳が多いとされていますが、2-3歳といった若い猫でも発生することがあります。
猫のリンパ腫は消化管での発生が最も多く、次いで鼻腔や鼻咽頭に発生することが知られています。
猫の鼻腔腫瘍は局所に広がる性質(局所浸潤性)を持つことが多いですが、一部の鼻腔リンパ腫は腎臓などへ遠隔転移している場合もあります。
確定診断には病理組織学的検査が必要になります。
主な症状としては、鼻汁・鼻出血・顔の変形・食欲不振・流涙・くしゃみなどが挙げられますが、これらの症状は非特異的なため他の鼻腔疾患との鑑別は難しいです。
治療法としては、「化学療法」や「放射線療法」を単独、または併用して行う方法があります。
ここで、実際に当院で鼻腔リンパ腫と診断された猫ちゃんをご紹介します。
3歳の猫ちゃんで、右の鼻から血が混じった鼻汁が出る、元気や食欲が低下しているといった風邪のような症状を主訴に来院されました。
実際の猫ちゃんの写真です。

右の鼻から膿性の鼻汁が出ており、鼻の通りも悪くなっていました。
このような症状から右鼻腔の閉塞性疾患が疑われたため、麻酔をかけて詳しい検査を行いました。
当院に新しく導入された細径軟性内視鏡(Scivita Medical SBV-1A-B)という細い内視鏡を用いて、鼻腔内を確認しました。

鼻腔内の内視鏡検査は下の図のように、口腔から内視鏡を挿入する方法と外鼻孔から内視鏡を挿入する方法があります。

今回は口腔・外鼻孔の両方から内視鏡を挿入し、それぞれのルートで検査を行いました。
ここからは実際の写真が出てきますので出血が苦手な方はご注意ください。
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実際の鼻腔内の様子です。



鼻咽頭内に腫瘤が形成され、鼻腔の閉塞を引き起こしている様子が確認されました。
左が本症例の鼻咽頭、右が正常な猫の鼻咽頭の画像です。


また、鼻咽頭内の腫瘤が右眼窩に浸潤している可能性も疑われました。
浸潤の範囲などの確定にはCT・MRIが有効です。
この腫瘤の一部を生検して病理検査を行ったところ、大細胞型リンパ腫と診断されました。
今回の症例では、細径内視鏡による鼻腔内の観察により腫瘤の視認および生検を実施することができたため、スムーズな診断と迅速な治療介入につながりました。

