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2022.03.15(火)

コロナ禍で運動する機会がめっきり減り、久しぶりに運動したらすぐ息切れしてしまいました。

おうちのワンちゃんネコちゃんでお散歩に行ってもすぐ座り込んでしまうようになったり、一か所でジッとしているようになったりということはありませんか?

 

以前は元気に動き回っていたのに疲れやすくなる原因の一つに心臓病が挙げられます。

 

ワンちゃんの心臓病は僧帽弁閉鎖不全症という弁の病気がほとんどで、犬種によっては心臓の筋肉の病気もみられます。

身体検査で心臓の雑音が発見されたり、レントゲン検査や超音波検査で診断されたりします。

重度になると肺から心臓へ血液が上手く戻ることが出来ず、肺水腫を起こし、呼吸困難を引き起こします。

 

それに対してネコちゃんの心臓病のほとんどは心臓の筋肉の病気です。

初期には雑音が聞こえないこともあり、症状が出てから発見されることが多く、発見された時には末期であることも多いです。

重度になると心臓で出来た血栓が血液中を流れ、詰まると血流が阻害され、後ろ肢が冷たくなり動かなくなってしまう事もあります。

 

こうした心臓病を発見するための検査に、聴診、心電図検査、レントゲン検査、超音波検査、血圧検査、血液検査などがあります。

早期に発見することで、薬により病気の進行を遅らせたり、予防をしたりすることが出来ます。

 

コロナ禍で、ワンちゃんネコちゃんと一緒にいる時間が増え、ちょっとした変化にすぐ気づけるようになり、早めに来院される方が増えたので、重症化する前に病気を見つけられるようになってきました。

 

また、症状がなくても定期的な健康診断やDogドック、Catドックを活用して頂き病気を早期に発見することが大切です。

 

おうちのワンちゃんネコちゃんが動きたがらなくなってきたり、疲れやすくなってきたら、早めの受診をお勧め致します。

ごろごろする犬のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

 

2021.10.08(金)

台風の季節になり、低気圧が近づくと頭痛がひどくなる今日この頃です。

ちなみに脳に異常があると、低気圧などの影響で発作を起こすこともあると言われています。

そこで今回は発作の中でも「てんかん発作」について取り上げたいと思います。

 

てんかん発作とは脳の過剰な興奮によって起こる発作を指します。

定義としては「24時間以上の間隔を空けて少なくとも2回以上の非誘発性てんかん発作を示す」ものとされています。

てんかんは脳に何ら異常の認められない「特発性てんかん」と、脳に構造的な異常(例えば、先天的な異常や脳の炎症、脳腫瘍など)があるものとに分けられます。

似たような発作を起こすその他の原因としては、低血糖や尿毒症(腎臓病の末期状態)などの代謝性疾患や中毒物質の摂取などがあります。時には不整脈や心疾患などによる「失神発作」がてんかん発作のように見えてしまうこともあります。

また、発作の種類としては意識がなく全身に症状のでる「全般発作」もあれば、体の一部部分だけに起きる「部分発作」もあり、なかには異常行動のようにみえるものもあります(自分の尻尾を追いかけてぐるぐる回る、空中の虫を捕まえるようにパクパクするなど)。

 

診断にあたり、まずは本当にてんかん発作かを確認する必要があります。

問診により発作が起きたときの状況を詳しく聞いていきますが、その際には発作時の動画があるととても有益な情報になりますので、可能な場合にはぜひとも携帯電話で録画していただくことをお勧めします。

続いて、身体検査、血液検査、心電図検査、神経学検査(神経の機能が正常かを触診などによって確認する検査)などを行い、前述した病気を可能な限り除外していきます。もしここで異常が見つかれば、それに応じた治療をしていきます。

最終的に脳の異常を見つけるためにはMRI検査やCT検査、脳脊髄液検査が必要になることもあります。

これらの検査を行いてんかん発作の診断がついた場合(または疑いが強い場合)には、投薬により発作を抑え治療を試みます。

 

発作を初めて目の当たりにすると辛そうに思えるかもしれませんが、発作自体には苦痛はありません。まずは、飼い主様がパニックを起こさず、冷静に対処して頂く事が大変重要です。慌てて顔の周りに手を出さず、周りにぶつかりそうなものがあれば移動し、けがをしないようにしてあげてください。

 

ご自宅のワンちゃんネコちゃんに発作が起きた場合や、いつもと違う行動が続くようであれば獣医師までご相談下さい。

 

痙攣イラスト/無料イラストなら「イラストAC」

 

2021.08.27(金)

ステイホームの期間中に新しい動物さんを家族として迎えたご家庭は少なくないと思います。

 

動物さんが「飼い主様はいつもおうちにいることが当たり前」と認識してしまうとお留守番ができなくなってしまう場合があり、これを分離不安といいます。外出の支度を始めるとパニックになってしまう、外出している間にお部屋の中を散らかしてしまうということなどが代表的な症状です。

 

以前はしつけとして様々な方法が試みられていたものも、現在では動物行動学の研究が進んでおり、治療として改善を促す方法が解明されてきております。

 

一例を挙げると、外出の支度だけをして外出はしないことによって支度は嫌なことではないということを学習させることや、転がすとおやつが出てくる知育玩具を用いて飼い主様がいなくなっていることに気が付きにくい状況を作り出すこと、飼い主様が戻ってきた時には必ず良いことがあると理解させることなどの対策によって少しずつ動物さんの不安を取り除いてあげることができます。

 

またそういった玩具や行動療法だけではうまくいかないときに、フードやサプリメント等が効果的なこともあります。

赤ちゃんが泣くと、お母さんはミルクをあげます。そうすると赤ちゃんはニコニコで飲み、その後はすやすやと寝てくれますよね。

実はミルクのなかには気持ちを落ち着かせたり、寝つきを良くしたりする成分(ミルクプロテイン)が含まれていると言われています。

そんな成分が入ったご飯やサプリメントなどが不安なわんちゃんの助けになることもありますので、

お困りの行動がございましたらお気軽に獣医師にお尋ねください。

 

 

吠える犬

2021.08.05(木)

皆さま、楽しい夏休みをいかがお過ごしでしょうか?

このご時世、県を跨いでの旅行も難しく、例年とは違った過ごし方で退屈な方も多いと思われます。

さて、少し前の話になりますが、ワンちゃん・猫さんたちにとっても 私たちにとっても知っておいた方が良いニュースをご紹介します。

 

~2021年6月22日

関東で初めてヒトで重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が確認されました~

SFTSとは、2011年に中国で発見され 主にマダニを介して伝染する病気です。

日本でも2013年に山口県で ヒトの発症が確認され、近年ワンちゃん・猫さんから直接感染した可能性のある患者さんが報告されています。

 

吸血前            吸血後

マダニのイラスト(吸血前)マダニのイラスト(吸血後)

 

 

 

 

そもそも、SFTSとはどんな病気なのでしょうか?

感染者のほとんどがマダニから刺咬されたことで感染しますが、SFTSに患ってしまったワンちゃん・猫さんの血液、体液に直接触れることで感染することがあります。約一週間の潜伏期を経て、発熱や下痢・嘔吐・腹痛などの消化器疾患を主徴とし、時に筋肉痛 神経症状 リンパ節腫脹 出血症状などを伴います。

ワンちゃんは発症件数が少なく 比較的軽症または不顕性感染(無症状)で落ち着いていることがありますが、ヒトと猫さんは致死率10~30%とされていて、重症化した場合 死亡する可能性もある怖い病気です。SFTSの特効薬はなく、症状に合わせた対症療法と抗ウイルス薬治療を行っていくのが現時点での治療になります。

 

この病気の予防法は『マダニに接触しないこと』です。

マダニは、裏山・裏庭・あぜ道など、自然豊かな場所に生息しているため、お散歩大好きなワンちゃん よくお外に出かける外猫さんたちはリスクが高いです。またマダニにより、他の病気の感染リスクもあります。

私たちがこの病気から愛犬・愛猫を守り また自分たちもこの病気から身を守るため、当院ではワンちゃん・猫さんたちに、ダニ・ノミなどの害虫予防を積極的に提案しています。ワンちゃんたちは、毎年のフィラリアの予防などで ご存知の方も多いと思いますが、猫さんたちは、ダニの予防はあまり身近ではない方が多いと思います。ノミ・ダニの予防薬は、ごはんに混ぜて食べさせる錠剤タイプのものや、首後ろに付けるタイプもあり、比較的簡単に始めることが出来るのでお薦めです。

 

このお話を読んでいただき、少しでもワンちゃん・猫さんたちのケアにご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、気軽にご相談ください。

2021.06.29(火)

梅雨に入りましたが体調はいかがでしょうか?

我が家では6月初旬に仕込んだ梅ジュースが美味しく出来上がりました。

今年も寒暖差が激しい気がしますね。

 

 

今年最初の夏日を観測したのは4月20日(火)で25℃を越えた地域が多かったようです。

今年の夏もマスク生活が続きますが熱中症に気をつけながらマスクと付き合っていきたいですね。

 

熱中症は人間だけでなく、ワンちゃん、ネコちゃんも注意が必要です。

 

◎特に注意が必要なタイプ

・大型犬

・短頭種(ブルドッグ、フレブル、パグ)

・肥満体形の犬、猫

・地面に近い小型犬

 

◎主に熱中症になりやすい場所

・長時間の炎天下や車内

・普段生活している室内。

意外と思われますが私たちには心地良くても毛を身に纏っている犬猫にとっては暑く感じることがあるので涼しくしてあげるといいですね。

 

◎主な熱中症の症状

・元気が無くぐったりしている。

・食欲不振

・激しいパンティング(ハァハァしている)

・痙攣

・嘔吐

 

◎対処法

・涼しい場所で脇、足の付け根等の太い血管を冷やしたり、体に水をかけ冷やすことが大事ですが

対応が遅れてしまうと命に関わる事もあるので熱中症の疑いがある時は早めの受診をお勧めいたします。

 

☆もう一つ☆

熱中症の他に夏場気を付けたいのが昼間、夕方のお散歩です。

太陽の日差しで熱くなったアスファルトの温度が高く肉球を火傷してしまう事もあるので気を付けてあげてくださいね。

 

今年も暑くなりそうです。美味しい物を食べて寝て体力を付けて、皆で乗り越えましょう!

 

 

 

 

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