お知らせ・ブログ
Blog2021.06.29(火)
梅雨に入りましたが体調はいかがでしょうか?
我が家では6月初旬に仕込んだ梅ジュースが美味しく出来上がりました。
今年も寒暖差が激しい気がしますね。
今年最初の夏日を観測したのは4月20日(火)で25℃を越えた地域が多かったようです。
今年の夏もマスク生活が続きますが熱中症に気をつけながらマスクと付き合っていきたいですね。
熱中症は人間だけでなく、ワンちゃん、ネコちゃんも注意が必要です。
◎特に注意が必要なタイプ
・大型犬
・短頭種(ブルドッグ、フレブル、パグ)
・肥満体形の犬、猫
・地面に近い小型犬
◎主に熱中症になりやすい場所
・長時間の炎天下や車内
・普段生活している室内。
意外と思われますが私たちには心地良くても毛を身に纏っている犬猫にとっては暑く感じることがあるので涼しくしてあげるといいですね。
◎主な熱中症の症状
・元気が無くぐったりしている。
・食欲不振
・激しいパンティング(ハァハァしている)
・痙攣
・嘔吐
◎対処法
・涼しい場所で脇、足の付け根等の太い血管を冷やしたり、体に水をかけ冷やすことが大事ですが
対応が遅れてしまうと命に関わる事もあるので熱中症の疑いがある時は早めの受診をお勧めいたします。
☆もう一つ☆
熱中症の他に夏場気を付けたいのが昼間、夕方のお散歩です。
太陽の日差しで熱くなったアスファルトの温度が高く肉球を火傷してしまう事もあるので気を付けてあげてくださいね。
今年も暑くなりそうです。美味しい物を食べて寝て体力を付けて、皆で乗り越えましょう!
2021.05.25(火)
以前こちらのブログで「ワンちゃん、ネコちゃんの異物摂取」について取り上げさせて頂きましたが、今回は実際に異物を食べてしまったワンちゃんについてご紹介させて頂きます。
11歳のミニチュアダックスフンドが2cm大のスーパーボールを食べてしまったということで来院されました。
誤食してから間もなかったので、催吐処置を実施しましたが、吐き出されませんでした。
スーパーボールはその丸い形状ゆえ、吐き出されないことが多々あります。
超音波検査を実施したところ、スーパーボールが胃にあることが確認されたため、内視鏡検査を実施しました。
内視鏡では、胃の入り口付近にスーパーボールが確認されました。
バスケット鉗子という専用の道具を用いて、無事取り出すことが出来ました。
その後もそのワンちゃんは体調を崩すこともなく元気で過ごしています。
今回は内視鏡で無事スーパーボールを取り出すことができましたが、腸に詰まった場合や、異物の種類によっては開腹手術が必要となることがあります。
ワンちゃん、ネコちゃんが間違って異物を食べることがないように十分に気をつけて下さいね。
超音波検査(黒い丸がスーパーボール) 胃内のスーパーボール
取り出している様子 バスケット鉗子
2021.03.21(日)
だいぶ暖かくなりお散歩もしやすい時期になってきました。
この時期になると狂犬病やフィラリアなどの予防が大切になってきます。
春になると狂犬病のお注射を打ってくださいとお知らせが届きますが、そもそも狂犬病とはどういう病気なのでしょうか。
狂犬病は犬だけではなく、人を含めたすべての哺乳類に感染する人畜共通感染症です。
狂犬病にかかった犬やキツネ、コウモリなどに噛まれることによって人へ感染します。
発症すると痙攣や、麻痺、狂躁などの神経症状が確認され、ほぼ100%死亡する恐ろしい病気です。
発症を防ぐためには2週間の潜伏期間内にワクチンを打たないといけません。
幸いなことに現在日本での発生はしていませんが、今後もし発生した時の為に今のうちからしっかりとワンちゃんの予防注射を行いましょう。
又、おうちのわんちゃんが人を咬んでしまった場合、翌日までに役所へ届けを出し、予防注射を打ってたとしても2日以内に動物病院にて検診を受けなければいけません。
今年は新型コロナの影響で集合注射が中止となりました。
普段あまり体調を崩すことのないわんちゃんもこれを機に病院で予防注射を行い、一緒に健康診断も受けてみてはいかがでしょうか。
狂犬病、フィラリア予防についてはこちらをご覧ください。
2021.02.13(土)
緊急事態宣言が延長され、我慢の日々が続きますね。外出自粛に伴い、お家で過ごす時間が増え、以前よりも部屋の中が散らかってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな今、注意しなくてはいけないのがワンちゃん、ネコちゃんの異物摂取です。異物として問題になることが多いのが、紐、糸、布などの線状のものや、トウモロコシの芯などです。ワンちゃん、ネコちゃんはもので遊ぶとき、咥えてみたり、舌で舐めてみたりします。そうして遊んでいるうちに飲み込んでしまうことがあります。
飲み込んだ異物は吐き出されたり、そのままうんちに出たりと問題にならないこともありますが、嘔吐や食欲不振、元気消失、下痢などの症状を引き起こしたり、腸に詰まる、腸が破けるなどの重大な問題となることもあります。
異物を摂取した際にみられる症状は他の消化器疾患などとよく似ているため、飼い主さんが異物摂取のタイミングを目撃する、物がなくったことに気付くなどのことがない限り、症状だけでは診断がつかないことがあります。そのような場合には身体検査、レントゲン検査、超音波検査、内視鏡検査などを行い総合的に判断する必要があります。また腸管内に留まってしまった異物を取り除くためには催吐処置や内視鏡のほか、外科手術が必要になることがあります。
ワンちゃん、ネコちゃんの異物摂取のほとんどが習慣的な問題であるため、やめさせることは容易ではありません。そのためワンちゃん、ネコちゃんの手の届く場所に異物となる可能性のあるものを置かないのが一番の解決策となります。
お家で過ごす時間が増えた今、上記の対策も兼ねて、思い切って大掃除を始めてみるのもいいかもしれませんね。
2021.01.31(日)
自粛期間が続く中、ご家庭でワンちゃんネコちゃんと過ごされる時間が多くなった方も多いかと思います。その中でからだに触れる機会が多くなり、胸やお腹にしこりのようなものが触れたことはありませんか?
今回はワンちゃんネコちゃんで発生率の高い乳腺腫瘍についてご紹介したいと思います。
ワンちゃんとネコちゃんの乳腺はそれぞれ胸からお腹にかけて5対と4対あり、いずれの乳腺からも腫瘍が発生する可能性がありますが、より後ろの乳腺で発生率が高くなっています。
ワンちゃんの乳腺腫瘍の約50%は悪性と言われておりますが、悪性の中でもその50%は比較的進行が緩く、治療により完治する可能性があります。また、若い時期の避妊手術により高い割合で予防できると言われております。
それに対してネコちゃんの乳腺腫瘍の80から90%は悪性のため、より早期に発見し、治療を行うことが重要です。特にしこりの大きさと他の臓器に転移がないかが重要な因子となります。また、若い時期の避妊手術も発症率を下げるのに有効であると言われています。
また、胸やお腹にしこりがあったとしてもそれが必ずしも乳腺腫瘍であるとも限りません。そのため、しこりが見つかった場合、まずはそのしこりの見た目、硬さ、いつからあったのか、どのくらいの大きさか、どのくらいのスピードで大きくなったのかなどの情報を元に、とても細い針でしこりの細胞をとる針生検という検査を行います。その後、乳腺腫瘍の可能性があれば、レントゲン検査や超音波検査によって他の臓器に転移がないか確認します。
最後にワンちゃんでもネコちゃんでも一番重要なことは早期発見です。胸やお腹にしこりが触れた場合、小さくてもまずは病院にご相談ください。とても小さくて大きくなるのがゆっくりであれば、大きさの経過観察をする場合もあります。
また、ネコちゃんにおいては乳腺腫瘍の啓発を行う「キャットリボン」という運動も行われておりますので、是非そちらの運動もご覧ください。https://catribbon.jp/