お知らせ・ブログ
Blog2019.07.07(日)
東京オリンピックも来年7月開幕と残すところ1年となり世間の活気も高まっていますね。
個人的には抽選にハズれ悔しさで暗黒面へ落ちそうですが、喝を入れキレキレと仕事しております。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
気温も徐々に上がり夏のお便りも届く時期になりつつありますが、体からのお便りと言えば、そう、ウンチのことです。これはウンチは体の状態を表しているという、先人の知恵であります。また、便りがないのは良い知らせという言葉もありますが、ウンチに関しては決してそうではありません。ということで今回はワンちゃんネコちゃんの便秘についてお話します。
便秘は何日とも排便がない、排便するが量が少ない、トイレで踏ん張るが何も出ないといった状態のことです。何日間排便がなければ便秘であるかという明確な規定はなくその子によりますが、以前に比べて排便の頻度や量が減っていれば該当するかもしれません。いずれにせよ、ウンチの「出口」である肛門への一本道が渋滞しており通行止めの状態であると、「入口」である口から食べ物が入っていかないため食欲が落ちたり、また食べたとしてもその後に吐いてしまったり、さらには体重減少などの症状につながっていきます。このため便秘が習慣化、長期化している子の方が問題は大きくなります。
便秘の原因はいろいろあります。
- 肛門へのウンチの通過が物理的に妨げられている状態
- 自律神経が正常に働かないことによって、腸の運動機能が損なわれウンチが腸内でたまってしまっている状態
- ウンチをするときにどこかしら痛みが生じている状態
- トイレが汚れている、居住環境の変化などのストレスがある状態
- 食事内容に食物線維が少なく便通が悪い状態
- 全身性の内臓の病気がある状態
- 原因がわからないもの (例;猫の特発性巨大結腸症) など
通常、便秘には根本的な原因があり二次的に生じている場合が多いため、原因の除去/緩和に努めることが重要となります(例;高齢猫での腎臓病に伴う脱水症により、便が硬くなり便秘となるケース)。また、原因が何であれ現在起きている便秘を解決しなければなりません。
便秘の治療にもいくつかの方法があります。
- 排便処置…お腹をマッサージしながら肛門付近で硬くなったウンチを手を用いて出します。また、肛門からチューブを挿入して浣腸液を注入し、硬くなって出にくいウンチをやわらかく出しやすくする処置をすることもあります。これらは基本的に病院で行います。
- 薬物治療…内服薬によって腸の働きを促したり、ウンチをやわらかくしたりして排便を促進させます。作用によっていくつかの種類があります。
- 食事療法…便通が良くなる食物線維を含んだ食事が勧められます。現在では昆布やわかめなどのヌルヌル成分(可溶性線維)を豊富に含んだ特別療法食が販売されており、便秘の治療または予防に非常に有効な手段となっています。
以上、簡単な便秘のお話でしたが、ウンチはペット達から飼い主様へのお便りでもあります。ウンチが少なくてトイレ掃除が楽でラッキー!などとは思わずに、心当たりのある飼い主様は気軽に当院スタッフへご相談ください。
2019.06.18(火)
晴れているかと思いきや突然の雨でジメジメ…
天気や気温が不安定だと体調を崩しやすくなりがちです。
そんな今日は熱中症についてお話します。
人と違い犬と猫は体に汗をかきません。
真夏はもちろん気温が高いため注意が必要ですが、特に気を付けて欲しいのは湿度が高く暑さに慣れていない今の時期です。
犬の場合、足の裏の肉球に汗をかいたり、舌を出してハアハア呼吸をして体温調節をしています。
鼻が長い子よりも短い子のほうが呼吸し辛いため体の熱をうまく逃がすことが出来ず、熱中症のリスクが高まります。
また毛量が多い子も注意が必要です。
こまめな水分補給と散歩はなるべく早朝に行くようにしましょう。
夕方も日が沈んでいるので大丈夫と思いがちですが、日中の暑さがコンクリートなどにこもっていることがあるため、地面近くを歩くわんちゃんにとっては昼と変わらず暑いことも。
猫の場合も肉球に汗をかきます。
舐めて体を冷やすこともあります。
猫はもともと犬よりも暑さに強く、犬のように舌を出してハアハアすることはほとんどありません。
ハアハアしている場合は危険な状態と言えます。
家の中で30℃近くなっても平気な顔をしている子もいますが、気付かないうちに熱中症や脱水に陥ってしまうことも。
大丈夫そうに見えてもこまめな水分補給が必要です。
もし熱中症になってしまった場合、
・ぐったりしている、ふらふらする
・体がいつもより熱い(犬猫の平熱は38℃~39℃)
・息苦しそう、ヨダレが出る
…などの症状が出ます。
涼しい部屋に移動させ、特に首や脇、足の付け根などを重点的に冷やしてください。
落ち着いても突然急変することもあるので、必ず診察を受けましょう。
2019.05.14(火)
長かった寒さもずいぶん和らぎ、ワンちゃん、ネコちゃんも過ごしやすい季節になりましたね。
今日は耳血腫についてお話します。一般的に耳と言われている部分は耳介といいますが、耳介は皮膚と軟骨から形成されており、耳介内の血管が破れ皮膚と軟骨の間に血様液が貯留して腫れあがった状態を耳血腫といいます。ワンちゃんに多く発生しますが、ネコちゃんにも認められます。
基本的に、耳介内の出血は、耳介に強い衝撃が加わることで起きます。多くは、外耳炎による痒みや不快感から耳を掻いたり頭を振ったりすることで起こることが多いです。特に垂れ耳の犬は、頭を振る際に強い衝撃が加わりやすいです。
治療として、耳介内に貯留した液体を針で吸引し、炎症を抑える薬を注入します。一度の治療で治る場合もあれば、複数回治療が必要になる場合もあります。また場合によっては外科的な処置が必要になる場合もあります。
突然、ワンちゃん、ネコちゃんの耳がぷくっと腫れて、気にしている素振りがありましたら、耳血腫の可能性もありますので早めの受診をおすすめします。

2019.02.23(土)
ようやく少しずつですが、日が出てる時は暖かくなってきましたね☀️
ですが夜になるとまだまだ冷えるのでコートが手放せません…。
寒い夜は特に外に夕食の匂いが外に漂うような気がします。
病院の駐車場にも美味しそうな匂いがたまにしていて、とてもお腹が空きます(﹡ˆ﹀ˆ﹡)

今回はそんな食べ物に関してです。
犬猫の食べてはいけない物について少しお話します。
有名な物と言えばネギ類、チョコレート、キシリトールです。
ニラ、ニンニクもネギ類に含まれるため食べさせてはいけません。
また、調理したとしても毒性は消えない為注意が必要です。
ネギを食べると量によっては血液中にある赤血球が破壊され、黄疸、嘔吐、下痢、貧血や真っ赤な尿(血色素尿)が出てしまうこともあります。
チョコレートはカカオに含まれる成分によってソワソワ落ち着きがなくなる、下痢、嘔吐、脱水、失禁、高体温などの症状が起こることがあります。
しかし、体格や個体差にもよりますがほんの少し食べただけでは症状が出ないこともあります。
もし食べてしまった場合、どんなチョコレートをどれくらい食べたかを担当の先生へ伝えましょう。
意外と怖いのがキシリトールです。
ガムなどに含まれるキシリトールの恐ろしい所は、ガムなど甘くなっていますが、食べてしまうと血中の糖分が下がり、低血糖を起こしてしまいます。そして中毒症状が食べてすぐに出てしまうことです。
食べてから数十分で症状が出始めることが多く、嘔吐や虚脱、痙攣、肝障害などが起こります。
少ない量でも中毒症状が出る為とても危険です。
最近はぶどうやレーズンも食べてはいけないものとして有名です。
甘くて果物なのでついついあげてしまう方もいますが、危険です。
症状は嘔吐、下痢、食欲不振。大量に摂取した場合、腎不全になってしまうことがあります。
レーズンパンなども与えてはいけません。
その他にもあまり知られてはいませんが、消化器症状を引き起こすきのこ類やアボカド。
牛乳などの乳製品。
これは特に子猫や子犬には人間の牛乳は与えないようにしましょう。
上手く消化出来ず下痢をしてしまいます。もしミルクを与える場合は犬猫用のミルクをあげてください。
全てのものに言えることですが、何かを食べてしまった場合、「いつ」「何を」「どのくらい」食べたかを先生へ伝え、食べた実物(無ければ同じ物)を実際に持って病院へ行きましょう。
これは食べ物だけではなく、おもちゃなどを誤飲してしまった場合も同じです。
そして、何かを食べてしまった時、なるべく大声を出さずにサッと残っている物を取り上げてください。
特に犬に言えることですが、大きな声でその子の名前を呼びながらものを取り上げると構ってくれたと勘違いしてしまい、また同じ事を繰り返すことがあります(叱られていると気が付かない)。
量によっては全く症状が出ない場合もありますが、数日して症状が出てくることもあります。
食べてしまったが、元気だから様子を見る…ではなく、お電話でもいいので一度病院へご相談くださいね❀
2019.01.26(土)
インフルエンザが流行していますが、皆様お体の調子はいかがでしょうか。
わんちゃんや猫ちゃんも、寒い日が続くので体調を崩しやすい時期かもしれないですね。
冷えないよう、暖かくしてお過ごしください。
さて、本日は犬や猫の認知機能障害についてのお話をしたいと思います。
最近では獣医学の進歩により、犬や猫の寿命が延びています。それに伴い、いわゆる生活習慣病や、認知機能障害も増えています。
特に犬は、人間や猫と違ってすべての個体で認知機能障害になる素因があると言われています。特に犬種や性別による差はなく、高齢であることが引き金になります。
是非早い段階で予防・対策をとってあげてください。
最近ではフードに予防できる成分が含まれているものもあるので、ご興味があれば是非スタッフまでお声かけください。7,8歳を過ぎたら始めるといいと言われています。
そもそも認知機能障害は、人間だと言葉を交わすので気づきやすいですが、喋らない犬や猫の場合はどうやって気づいてあげれば良いでしょうか?
当院では認知機能障害発見のチェックリストを用意しておりますので、ご興味のある方はお声かけください。
(認知症のチェックリストはこちらをクリックでダウンロードできます。)
症状の例としては、普段楽しく遊んでいたことをやらなくなってしまう、慣れている道を忘れてしまう、家族の顔を忘れてしまう、などです。日常生活でよく観察していると気づく変化ですので、普段からよく見ていてあげてください。
また、夜鳴きや夜間の徘徊、そそう(トイレを忘れてしまう)など、わかりやすい変化も症状の一つです。
以上のような変化が見られたら、また気になる行動がありましたら、是非ご相談ください。
フードを専用のものに変更するなどできることから始めてあげましょう。
では実際、認知機能障害になってしまったとき、おうちではどういった対策をとれば良いでしょうか。
認知機能障害にとって、ストレスは悪化の要因になります。何か粗相(そそう)をしても、絶対に叱らないであげてください。
また、トイレに行きたいけれど行けない、歩きたいのに歩けない、という葛藤もストレスになります。段差をなくす、トイレまで歩く筋力が落ちてしまっているのであればトイレを近づけてあげるなど、環境を整えてあげてください。
徘徊をしてしまう子は狭い場所に引っかかって出られなくなることがあります。柵をつけるなど、怪我をしない対策もとってあげてください。
また、お散歩も効果的です。いい刺激は認知機能障害の進行をゆっくりにします。筋力が落ちてしまっても、ゆっくりでいいので外の空気を吸わせてあげてください。知育トイや頭を使った遊びもお勧めです。
あまり症状が強い場合は投薬が必要になる場合がありますので、お気軽にご相談ください。
また、認知機能障害ではなく病気であることもあります。気になる症状がありましたら、必ず診察を受けるようにしてください。





